銀イオン置換セラミックボール
銀イオンと銀粒子の違いは、大きさが異なり、抗菌効果も違うという差がある。
銀イオン置換セラミックボール(特徴)
銀イオンと銀粒子の違いは、大きさが異なり、抗菌効果も違うという差がある。銀イオンは、Å単位であるのに対し、ナノシルバーは15~20㎚である。走査電子顕微鏡と透過電子顕微鏡によって、ナノ銀粒子の微生物不活性化特性と、銀イオンの微生物不活性化特性を比較した結果は次の通りである。
- 同一の銀(Ag)濃度を基準とすると、銀イオンの抗菌効果は、ナノ銀粒子の抗菌に比べて約20倍の高い効果を持つ。
- 銀(Ag)濃度と温度が高いほど、抗菌性能は向上する。これは、銀ナノ粒子と銀イオンの実験結果においても、同一の性能で一致している。
- ナノ銀粒子の抗菌性能はpHが高いほど向上するのに対し、銀イオンの場合pHの変化に関係なく、高い抗菌性能を表す。
- 銀イオンは、全ての臓器、血液中に吸収され、最終的に体内から排出されるが、銀ナノは粒子であるため、臓器に沈積される可能性が高い。
銀イオン置換セラミックボールの抗菌メカニズムは、2段階に分けて説明できる。まず、ボールから生成された活性酸素が微生物を死滅させることと、セラミックボールから溶出した銀イオンが微生物の中に吸収されて、細胞質の中にあるRNAやDNAなどを損傷させ、微生物を不活性化させることの2段階の滅菌メカニズムがある。しかし、ナノ銀の場合は、微生物の細胞だけを大きく損傷させる。
したがって、抗菌効果が銀ナノより銀イオンの方が大きいことが分かる。
銀イオン交換複合置換剤の抗菌実験
1. 使用菌株 : Escherichia Coli ATCC 25922
試験項目 | 抗菌ボールWP103 | 試験方法 | |||
---|---|---|---|---|---|
BLACK | 細菌数 (CJU/100P) | 細菌減少率(%) | |||
大腸菌による試験項目 | 初期 | 3.5 x 106 | 3.5 x 106 | - | 依頼者提示 |
10分後 | 1.0 x 103 | 99.97 | |||
30分後 | ∠10 | 99.99 | |||
60分後 | ∠10 | 99.99 |
2. 使用菌株 : MRSA (Staphylococcus aureus Subsp aureus ATCC 33951)
試験項目 | 抗菌ボールWP103 | 試験方法 | |||
---|---|---|---|---|---|
BLACK | 細菌数 (CJU/100P) | 細菌減少率(%) | |||
MRSA균에 의한 시험항목 | 初期 | 1.8 x 106 | 1.8 x 106 | - | 依頼者提示 |
10分後 | 9.7 x 104 | 94.55 | |||
30分後 | 5.1 x 104 | 97.16 | |||
60分後 | 4.0 x 104 | 99.77 |
3. 使用菌株 : Pseudomomas aeruginosa ATCC 15442
試験項目 | 抗菌ボールWP103 | 試験方法 | |||
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BLACK | 細菌数 (CJU/100P) | 細菌減少率(%) | |||
緑膿菌による抗菌試験 | 初期 | 2.38 x 106 | 2.3 x 106 | - | 依頼者提示 |
10分後 | 1.0 x 104 | 95.65 | |||
30分後 | 1.31 x 105 | 99.43 | |||
60分後 | ∠10 | 99.99 |
4. カビ菌株(混合菌株)
Aspergillus niger ATCC 9642 / Gliocladium virens ATCC 9645
Penicillium pinophilum ATCC 11797 / Aureobasidium pullalans ATCC 15233
Chaetomium globosum ATCC 6205
試験項目 | 抗カビ試験 | |||
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培養試験の期間 | ||||
1週間後 | 2週間後 | 3週間後 | 4週間後 | |
試験結果 | O | O | O | O |
試験方法 | ASTMG - 21 (2002) |
※上記試験(大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、カビの菌株は2009年06月18日、韓国建資材試験研究院(KIOM)の結果である。)
[論文参照]
① 銀イオン交換A型ゼオライトからの銀イオン溶出が抗菌力に及ぼす影響(慶星大学建設環境工学部、教授、イム・ギョンチョン博士)
② 銀イオン交換セリサイト、複合置換剤の抗菌特性(延世大学校原州医学部生化学教室、教授、キム・ヒョンウォン博士、慶星大学建設環境工学部、教授、イム・ギョンチョン博士)